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いかに退屈させないかを考える 〜よりよいライブ配信授業を目指して〜

いかに退屈させないかを考える 〜よりよいライブ配信授業を目指して〜

皆さんこんにちは。
日本でも新型コロナウィルスの影響で、学校が開校できない状況が続いています。そのような中で生徒たちの学習を支援するため、学校によっては授業の様子を動画にしてネットを通じて配布したり、ZoomやGoogle Meetを使ってライブ配信をしたりするオンライン授業の取り組みが始まっています。

私の学校でもライブ配信による授業に取り組んでいますが、これまでの経験から語れることや、現在複数回授業をし、また同僚の授業をサポートする中で得た知見があるので、これから複数回にかけて記事にしていきたいと思います。

オンライン授業の生徒がサボるのは仕方ない

まず、これから様々なテーマで話していく上で前提となる話があります。それは「オンライン授業では生徒は絶対にサボる」ということです。
生徒たちを悪く言うつもりはまったくありません。「生徒がサボるのは仕方ない」と割り切って考えて授業を構築していくことがより良い授業につながるという意味です。

在宅勤務が進んでいるので、その経験がある方はすぐに理解できると思いますが、自分の家の環境で集中力を維持するのはなかなか大変ですよね。大人でさえ難しいのですから、子供はなおさらです。

自分の部屋で、教科書とノートだけを開き、テレビや携帯電話の電源を消し、余計な雑音を排除して勉強に取り組めるなんて生徒は本当に一握りです。

先生や親、一生懸命勉強している友人が常に横にいるわけでもなく、自分や家族の私物があふれている部屋にいて、画面から見えないところでどんなことをしても誰にも気づかれない、叱られないという状況で、自分の欲や衝動を完全にコントロールできるはずがありません。

しかも、ほとんどの生徒が観ているのは10〜12インチ前後の小さなタブレットやノートPCの画面。これを一日5〜6時間です。YouTubeの自分の関心のある動画ではなく、人生で初めて学ぶような新しいことを勉強するのです。

資格の勉強などで動画視聴をしたことがある方は実感があると思いますが、ほんの1時間でも集中を保つのはとても大変です。初めてのことを学ぶのはとてもエネルギーがいるのです。それを子どもたちがひとりきりでやるのです。集中を保てるはずがありません。

画面ごしの生徒たちの見えないところには、必ずお菓子と携帯電話が置いてあり、LINEやTwitterが開かれていると考えてください。

サボる生徒をなくすのは不可能

この「サボる生徒がいる」という状況を0にするのは絶対に不可能なので、労力や時間をかけることはムダだと考えましょう。

もちろん、授業のはじめに「携帯はしまってね」とひとこと言ったり、画面越しに何か他の事をしている生徒を見かけたら注意する、ということは必要です。授業に秩序を持たせ、生徒たちに自己抑制させるきっかけを与えることができます。

ですが、遠隔授業は学校ではありません。それぞれの家庭環境にも左右されるので、完璧を追求することはできません。そこに労力を割くよりも

「いかに退屈しない授業にするか」

に集中して、生徒たちが能動的に取り組める環境を構築していく方が成果は大きいです。

 

予備校やYouTubeの解説動画をマネしない

もうひとつ、注意すべきは「予備校やYouTubeの勉強動画をマネしない」ということです。「予備校やYouTubeの解説動画と同じ土俵で戦わない」と言い換えたほうがいいかもしれません。

あの類いのものは、あれでお金を稼ぐために時間と労力をかけて作っています。だから同じ土俵では絶対に勝てません。

YouTubeのものも、業者が編集しているものなどはとても凝った作りになっていて、視聴者を飽きさせません。でも、あのレベルの50分授業1コマを作るには、構想から考えたら1日以上かかりまし、機材などにお金もたくさんかかります。

私たち自身の技量向上も必要です。予備校の先生のトークは、全く異なる方向のプロの技術で、簡単にマネできるものではありません。

仮にここまで頑張って、素晴らしいクオリティの動画を作っても「これならYouTubeで良くない?」と思われたら終わりです。非常にむなしいことです。ですから、予備校やYouTubeの勉強動画の方向には行かない。

とはいえ、予備校やYouTubeの手法から学ぶこともたくさんあり、簡単にまねできるものもあります。それらについては紹介していきますので、取り入れつつ、私たちなりの授業を構築していくことが大切です。

学校の先生らしい授業に

初めてのオンライン授業で、機材の使い方など学ばなければならないこともあり、不安に感じている方も多いと思います。ですが、私たち教師には、私たちの強みを生かしたオンライン授業が可能です。手法については、これから少しずつお伝えしていき、そういった皆様のお役に立てればと思っています。

それではまた。困難な時代ですが、前を向いて進んでいきましょう。

 

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