皆さん、こんにちは。近年はコロナで海外旅行はかなりハードルが上がっていますね。
イギリスに旅行に行くことも難しいとは思いますが、今後行った時のために、覚えておいてほしいこととして、「レストランのチップはいくら払えばいいの?」という話です。
接客サービスに対する感謝=チップ
欧米のチップ文化はとても面白いですが、チップに慣れていない日本人からすると、概念がよくわからず、旅行先で困ってしまうことがあると思います。
よく旅行ガイドでは「食事代の10〜15%」などのような記載があるので、これに従ってきっちり計算して払う、という日本人も多くいるようです。
それは現地の人から真面目に見えたり、Pennyまで細かく計算して出すと滑稽に見えたりします。
まず大事なことは、「食事のおもてなしに対してありがとうの気持ちをチップで払うのだ」という前提を忘れないことです。
感謝は気持ちですから、プライスレスです。それを金額に表現するのですから、実は「いくらでもいい」のです。
例えば子供の頃、お使いを頼まれて行ってきたら、「はい、お駄賃」と少額の小銭をもらったりした経験はないでしょうか?あるいはその逆はありますか?
その小銭を渡すときに、「10〜15%くらいかな」などと考えているわけではないですよね。小銭のあまり具合と感謝の気持ちとで自由に決定しているはずです。もちろんもらう側は「これだけ?」と思うこともあるかもしれませんが、感謝の気持ちと共に受け取っているので、怒ることにはならないと思います。
欧米のチップについても、そのように考えれば良いのです。
なぜテキトーでいいのか(チップ文化の裏事情)
最近は事情が変わってきたので、全ての店がそうという訳ではありませんが、この話を聞くと「なるほど」と思ってもらえると思います。
イギリスの飲食店のカウンターのバイトは賃金のベースを安く設定されています。その代わり、店員はチップを受け取ったらお店に渡すのではなく、自分のものとして良いという仕組みになっています。
(お店と折半だったり、全額お店で回収しているところももちろんありますが、元々の文化の話をしています)。
カウンターはそれぞれ持ち場を割り振られ、持ち場の客に対するサービスに注力します。
ここでチップをもらえると、「頑張った分、感謝してもらえて、バイト代も稼げた」となるので、モチベーションとなり、さらにおもてなしに磨きをかけていきます。
チップをあげる方も、「君のおかげで気持ちよく食事ができたよ」とチップを渡し、また次回来た時に同じおもてなしが受けられることを期待します。
チップとはこのような文化なのです。
日本人は「接客は心からのおもてなし」と考え、お金の見返りがなくてもお店のために努力します。だから日本人にはわかりにくい文化なのです。
日本人は「バイト=丁稚奉公」の文化が強く、「お店で雇われて働かせてもらっている」という気持ちが強すぎるのかもしれません。
実際この話を聞いても、「お金がもらえないと努力しないなんてイギリス人は甘い」と考える方もいるのではないでしょうか。
イギリス人はお店との関係がフラットで、たくさんのチップをもらう店員は自分のサービスに自信を持っています。
こんな文化の違いはとても面白いところです。
チップをあげなくて良い場面
この話を聞いて、「チップは小銭でOK」という感覚がわかってもらえたでしょうか。
それではまとめていきます。まず、チップをあげなくて良いお店は
・パブなど、自分で食事をとりに行くようなお店
・自分のテーブルに固定の担当者がつかないお店(日本でいうファミレスのような店)
・接客はあったが、満足できなかった場合
などのケースです。
特に3番目は重要です。外国人は「日本人はチップ文化を知らない」という認識を持っているケースが多いです。
旅行先でよくわからずチップをあげなかったり、逆にあげすぎてしまっている日本人が多いのでしょう。
「テキトーにやってもたくさんチップがもらえる」「頑張ったのにチップがもらえない」という経験をしていくと、その店員の接客は雑になっていきます。
努力と成果が結びつかないからです。
なので、日本人の私たちは、「雑に扱われた」と思ったらチップは払わなくて良いと考えましょう。逆にすごく丁寧で温かかったら、たくさんあげましょう。
チップは小銭を基本に
1ポンド硬貨、2ポンド硬貨などの重めの硬貨をまずは使うようにしましょう。「財布が軽くなる」というメリットがあるので、
出すことへの抵抗が少し減ります。
もし1ポンド硬貨や2ポンド硬貨がない場合は50ペンス硬貨を使います。それより小さい額の硬貨はけち臭い印象を与えるので避けた方が良いです。
このような感覚で、手元の硬貨を2、3枚消費すれば、通常のレストランのチップとしては充分です。
高級レストランでは紙幣を使おう
ワインをテイスティングありで提供するようなレストランや、コース料理を提供するようなところの場合は、この感覚より1段階上げましょう。
つまり、5ポンド紙幣や10ポンド紙幣(+小銭)を駆使します。
一人あたり10ポンドも出せば充分ですが、あとは気持ち次第で。
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