チャーチルの映画により、人気となっている博物館
こんにちは。今日はロンドンの博物館、Churchill War Rooms(チャーチル博物館)を紹介します。
Churchill War Rooms(チャーチル博物館)とは
この博物館は、第ニ次世界大戦中にドイツからの空襲を受けたイギリス首相チャーチルが、戦時内閣を安全に運営するために建てた地下施設が元になっています。当時の面影を残しつつ、一部を改修して博物館としています。
チャーチルについて
言わずと知れた第2次世界対戦時のイギリス首相、Winston Churchillです。戦時内閣を組織し、枢軸国(ナチス・ドイツ、イタリア)にヨーロッパ諸国が次々と降伏していく中、最後まで抵抗を続け、ついに勝利を勝ち取りました。「勝利」を表すVサインを広めた人物としても有名です。
映画化により再注目されているチャーチル
日本では今年3月に封切りとなったアカデミー賞受賞映画「ウィンストン・チャーチル ヒトラーから世界を救った男」です。
イギリスでのタイトルは”Darkest Hour” 。僕も観ましたが、人となりや苦悩など、チャーチルを一人の人間として描いていて、いい映画でした。首相就任からイギリス国民徹底抗戦を決めた演説までの話なので、個人的には邦題の「ヒトラーから世界を救った男」はズレていると思います。観客を多く呼ぶためのことなのでしょうが、きっと日本では「戦争に勝利するまでを描いたもの」という誤解をしたまま観に行かれる人が多かったのではないでしょうか。こういうところは映画の評価を下げる悪手だと思いますが、本題ではないので割愛します。
映画のシーンでは、チャーチルが地下施設で内閣のメンバーとやり取りするシーンが多くあります。在任中のほとんどの時間をここで過ごしたのですから当然ですね。そんなわけで「舞台となった施設を見てたい」とこの博物館を訪れる人が多くいまして、平日でも入場待ちの列ができる人気となっています。
入場料は少々お高め
大人1枚£21です。Imperial War Museums(IWM、帝国戦争博物館)の管理ですが、本体の博物館は無料ですがこちらは有料。ご注意を。その代わり展示にはお金をかけている印象で、また入場時に電話式のボイスガイドを一人一台貸してくれます(英語のみ)。
見どころ1:内閣会議室
入場してすぐのところにある会議室です。
一番奥の中央にチャーチルの椅子があり、それを取り囲むように側近たちが座ります。”Darkest Hour” では降伏推進派のメンバーと口論する場面がありますが、先行きがわからない戦争において組織内対立があって、この狭い会議室で何時間も議論をし、それが何年も続くことを考えると気が滅入りそうです。チャーチルがいかにタフで、信念を曲げない人物であったか、考えさせられます。
見どころ2:プライベートルームに見せかけた国際電話室
ヨーロッパ諸国が降伏する中、チャーチルが頼りにしたのがアメリカです。この小部屋は、当時のアメリカ大統領、ルーズベルトに直接つながる国際電話室。盗聴されないよう、最新設備に加え、側近であってもこの部屋の存在を知っているのはごく一部。多くの人にはチャーチル専用の「トイレ」と偽っていたようです。スパイ、内通、なんでもありの第2次世界対戦。身近な人も信用できない厳しい状況であったことがわかります。
見どころ3:チャーチル博物室
チャーチルの生い立ちから死去まで、彼にかかわる様々な資料が展示されている部屋です。チャーチルに詳しくなれます。
奥にはチャーチルの葬儀の様子を流したビデオがあります。葬儀はロンドンで行われた盛大なもので、チャーチルがいかに偉大な人物であったかを物語っています。
見どころ4:地図室
映画にも登場する地図室。当時はコンピュータなんてなかったので、地図上にピンを置きながら作戦を練りました。したがって、戦局に関する全ての情報が集まってくる部屋ということになります。チャーチルの主眼はヨーロッパ奪還ですが、戦争自体は太平洋でも行われていたので、日本軍の状況を示した地図もありました。
所要時間は1時間半程度
じっくり回ったので2時間かかってしまいましたが、テンポよく進めば1時間〜1時間半で回れる博物館です。ですがなかなか見ごたえある展示と、なにより当時の暗い雰囲気が伝わってくるのがとてもよかったです。何度も見に来るタイプの博物館ではないですが、映画で関心を持たれた方、またチャーチルの人物に惹かれたかたは、ぜひ一度訪れると良いと思います。
それでは。
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