ロンドンの緯度は北海道より高い
ロンドンの緯度は北緯51度です。札幌は北緯43度。ロンドンの緯度は日本近辺で見ると樺太中部と同じくらいの高さにあります。中学生や高校生くらいだと誤解しがちですが、実はヨーロッパ全般が日本人がイメージしているより高い緯度に位置していて、メルカトル図法の地図を使って東京と同緯度を辿っていくとアルジェリアやモロッコにたどり着きます。このネタはよく地図の授業で使い、緯線や経線を意識しながら地図を見てもらうために有効です。
通常、緯度は高いほど気候は寒くなります。したがって、ロンドンは北海道よりも寒くなるはずですが、ロンドンは温帯、北海道は冷帯(亜寒帯)。どうしてこのようになるのでしょう。この問いかけはおもに中学校で気候の授業をするときに役立ちます。
世界の水温を見てみる。
世界各地の本日の海水温がひと目でわかる便利なサイトがあります。(写真は2017年10月10日のもの)
日本近海に比べて、ヨーロッパ近海はかなり高緯度の方まで温かい海が広がっているのが分かります。
リゾート地として有名なブライトンの海水温度です。冬でも8℃前後の水温があることが分かります。
比較として、北海道、釧路の海水温を見てみましょう。
夏はブライトンよりも若干高いですが、冬は圧倒的に低く、冬は2℃くらいです。これは釧路の東を通る親潮(寒流)の影響を受けるためです。逆にいうと、イギリスでは暖流の影響をほぼ1年中受けることになります。
暖流は気候にそれほど影響を与えるの?
暖流だけでなく、その上を通る偏西風が大きな役割を果たします。このことについては次回詳しく説明したいと思います。
逆のパターンとして、「やませ」というのがありますね。寒流の親潮の上を北東風が吹くことで、東北地方に冷害をもたらすあの「やませ」です。夏でも気温が上がらず曇天が続きます。
このように、「風+海流」は気候に大きな影響を与えます。
まずは北大西洋海流について知ってもらえれば嬉しいです。それでは。
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