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昨日からイギリスは冬時間です 〜日本との時差は9時間に〜

昨日からイギリスは冬時間です 〜日本との時差は9時間に〜

久しぶりの更新です。

イギリスではサマータイム制度があり、3月の最終日曜日から10月の最終日曜日までは夏時間になります。

イギリスの標準時子午線は経度0度(本初子午線)、日本の標準時子午線は経度135度、時差は通常時で9時間です。

(135-0)/15=9

 

これが夏時間は8時間となります。

日本に電話する用事がある場合は、こちらが昼でも日本は夜中になってしまいますから、夏時間は少しでもその時間が縮まってありがたいものです。

冬時間に変わる日は1時間余計に寝られる

冬時間(夏時間)に切り替わる瞬間はどのように訪れるのか、日本に住んでいると実感の無いものです。具体的にどうなるかというと、学校中の時計を手動で1時間戻します。それは夜の間に行われます。この「時計を戻す」作業のタイミングは、どうやら各家庭やオフィスに任せられているようです。

BBCなどのテレビではどうでしょうか。テレビを観ていると、10月の最終日曜日の午前0:59の次が、午前0時になります。

午前0時台を2回繰り返すということです。このあたり、子供の頃に学校で習うだけではわからないところで、なかなかおもしろい制度だと思います。

生徒たち(+私)にとっては、午前8時に起床するとして、その時間は勝手に1時間プラスされているわけですから、その分余計に寝られる事になります。かなり得した気分になりますね。(夏時間の時は逆ですが・・・)

日本にサマータイムは必要か

さて、ここからが本題です。この制度になじみのない日本とその教育環境で育った私にとって、素朴な疑問がありました。

「日本はなぜサマータイムを導入しないのか」

という疑問です。

初めてサマータイムについて習ったのは中学1年生の地理の時間でしたが、そのときの社会科の先生は、ヨーロッパの国がサマータイムを導入した理由について、

「夏は日が出るのが早いから、それに合わせて涼しいうちから早く働いて、その分早く終わって夜の過ごしやすい時間を家族で楽しむんだよ」

と教えてくれました。

じゃあなぜ日本はサマータイムを導入しないのかと訊くと、

「一度導入しようとしたんだよ。でも、うまくいかなかったんだよ。日本人は勤勉だから、時計に合わせて行動するでしょ。その時計が戻ったり進んだりして、非常に混乱したので、サマータイムの文化が根付かなかったんだよ。」

という説明でした。

その時は、ははあ、そういうものか、と思いましたが、現在社会科の教員となって、またイギリスに生活してみて、この先生の説明は半分間違っており、もっと良い説明ができるのだと気づきました。簡単に言うと

日本はその必要がないから

 

です。いじわるでしょうか。

イギリスに生活するとサマータイムのありがたみが分かる

下の表は、イギリスと日本の夏至と冬至の日の「日の出」と「日の入」の時間を表したものです。

おわかりの通り、ロンドンの夏の日照時間は東京より長く、冬の日照時間は短いです・これは、ロンドンが東京より高緯度に位置している事によります。

高緯度ほど日照時間の年較差は大きい

 

北極、南極で「白夜」「極夜」がみられるように、高緯度ほど日照時間の年較差は大きくなります。

夏なんかはいつまでも明るいので、ついつい遊びすぎてしまいます。夜8時台に海辺で夕日を観ながらビールを飲んだことがありますか?とても最高ですよ(笑)

反対に、冬は昼間の時間が圧倒的に短いです。8時間しかないのです。1日の2/3は夜です。自然、冬に向かうにつれて気分も下がってきます。

ヨーロッパの特徴として(特に北欧)、「家具がおしゃれ」「家の内装に温かみがある」などがありますが、これは冬、家にいる時間が長いことによるものだと解釈されます。それくらい、冬は家の中で過ごすことが多いです。

夏は早くから日が出てきますから、自然と朝目覚めるのも早くなります。そこでサマータイムがあると、とても大きいのです。こちらに来た当初は違和感もありましたが、慣れてくるにつて、良いものであると気づきました。「実感に時間が合う」というか、そんな感覚です。

10月後半になってくると、次第に日の出の時間が遅くなってきます。7時でも真っ暗な状況になってきて、「これは朝じゃなくて夜」という、なんとも寝起きの悪い状況になってきます。そこで冬時間になると、また「実感に時間が合う」感じになります。こんな風に、日照時間の年較差の大きいヨーロッパでは、サマータイムは必要な制度なのです。

日本にはサマータイムは必要ない?

比較して、日本はどうでしょうか。日本の日照時間の年較差はそれほどないので、なかったところで別に苦労しません。むしろ冒頭に書いたとおり、約半年間あるヨーロッパのサマータイム時に少しでも時差が縮んだ方が便利なことが多いです。

今後、もし日本が導入するとしたら、「暑い時間になる前に仕事へ行ける」ことのメリットを重んじるケースだと思います。ただ、

枕草子にもあるように、日本の風物詩は

夏は夜

 

なのです。私は日本だったら、日が沈んだ後の涼しい時間を長く過ごせるほうがうれしいです。サマータイムで1時間早まり、その分早く寝る(事になってしまう)のはもったいないですね。

サマータイムについての授業があるときには、いつもこんな話をしています。

 

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