コンパクトでiPhoneより高性能なカメラをいつも持ち歩くか
こんにちは。technukです。
今日は連載2回目ということで、Kiss X7を持っている僕が2台目のカメラを「コンパクトでiPhoneより高性能なカメラをいつも持ち歩く」視点で検討した結果について語ろうと思います。
購入の指針
前回整理した通り、「コンパクトでiPhoneより高性能なカメラをいつも持ち歩く」か、「Kiss X7より高性能なカメラを仕事で使う」ことを軸に、新しいカメラの購入を検討しました。
図にするとこんな感じです。
僕にとっての2台目は赤丸か青丸のどちらかということになります。(仮に3台目を買うとしたら、今回買わなかったもう一方、ということです)
高級コンデジか
「コンパクトでiPhoneより高性能なカメラをいつも持ち歩く」という方針に一番合っているのは最近各社ラインナップを充実させてきた高級コンデジ。候補にしていたのは、キヤノンのPower Shot G7X MK2とパナソニックのLumix LX9です。
良い点:手軽に持ち出せて、高性能
どちらもスナップショットやモノ撮りに便利そうです。発売から年数の立っているものなら価格も手頃で手を出しやすい。ソニーのRX100シリーズになると、最新のものはスペックがいいですが、一眼の価格を超えてしまうので考えものです。
悪い点1:カメラの楽しみが台無し
そこで、店頭で触ったり、知人に近いスペックのものを借りて外出したりしてみました。するとあることに気づいたのです。それは、シャッターを押した感がなく、
撮っててつまらない。。。
コンデジゆえにしかたないことなのですが。最近のコンデジは高性能ですから、絵を切り出すことに関しては申し分ない働きをします。ですが、撮っててつまらない。カチ、カチとシャッターを切るたびに、作業的に画像を記録している気持ちになります。
そんなことどうでもいいと思うかもしれませんが、「一眼って撮ってて楽しい」からカメラの世界に入った僕にとっては重要なことでした。
悪い点2:1インチセンサーが心もとない
他に気になることは、センサーが1インチということに後で物足りなさを感じるのではないか、ということです。1インチですから、APS-CのX7に比べれば当然ボケにくくなりますし、光量が減ると性能は落ちます。
なんでもかんでもボカせばいいわけではないのは十分承知です。レビューを観ていると、「インスタ映え」的なテーブルフォト、実用に足ります。でも例えば
ポートレートで満足いくボケを得られるか?
とか思うと、不安が残ります。
APS-Cを積んだコンデジもありますが、ズーム無しの変わりダネだったり、一眼が買えるほど価格が高かったりします。APS-CのKiss X7を持っているので、APS-Cである必要はないのです。でも、プロの様にスペック不足を補える技術があるわけではないので、「今以上に使い物にならない写真を量産するかも」という不安が購買意欲に勝りました。
ここで2台目に高級コンデジを買う線はなくなりました。高級コンデジの性能はとても良いです。なにより手軽に持ち出せるという大きなメリットがあります。ですが、「割り切り」が必要です。僕の2台目の場合には、この割り切りはできませんでした。きっとこれが僕にとっての3台目だったなら躊躇せず買えるのでしょうね。
ミラーレスか
そうすると、次に挙がってくるのがミラーレスという選択肢です。コンデジより大きくはなりますが、その分性能も向上します。
なにより、ミラーレス一眼は「一眼」なので、当然シャッターは「カシャ」ですし、レンズを交換して場面にあったカスタマイズができます。この点僕が求めるステップアップとしての2台目にはうってつけです。
また、この場合「いつも持ち歩く」ことが主眼ですから、標準ズームか単焦点を一つ付けたままカバンに放り込む運用が基本になります。そうすると、レンズ資産のあるキヤノンでもいいですし、たとえキヤノンでなくても、レンズはそれほど増えることにはならず、Kissにはない描写ができるという補完的な役割を期待できます。なので、気に入ったカメラを買えば良い。
ミラーレスも最近は各社充実していて、それぞれ特徴をもった機体を投入しています。僕が求める条件は、
- ファインダーがあること
- チルトもしくはバリアングル画面
- 操作系は省略し過ぎない
- 10万円以下
です。キヤノンのEOS M5、Kiss M、ソニーのα6000系、パナソニックのLumix GX7系を候補に検討していきました。
キヤノン EOS M5とKiss M
最右翼はキヤノンです。M5、Kiss Mとも申し分ないです。Kiss Mは発売直前だったので、比較サイトや動画も観ながらじっくり検討できました。
良い点1:操作系は同じキヤノンだから不安はない
良い点2:レンズが豊富
同じキヤノンで揃えることで得られるメリットは大きいです。キヤノンのミラーレス(Mシリーズ)はマウントの口径が一回り小さいですが、純正のコンバーターが出ているので、それをつければ今までの資産もそのまま使えます。
悪い点:Kiss Mは安っぽくて7万円。M5はKiss Mとスペックが逆転している
Kiss Mはデザインとプラスチッキーな機体が購買意欲を半減させます。X7では一目惚れしたホワイトも、なんだか安っぽく見えます。それでいて、Kiss X7より高いです。
M5は高級感があっていいですが、Kiss Mが後発だったためにKiss Mより上位機種であるにも関わらずスペックが逆転されています。なのにKiss Mより高い。。。
M5は後継機があと半年以内に出そうなので、それを待つ方が無難です。つまり「時期が悪い」。そのため僕も一度は夏まで我慢しようと思った次第です。
ただ、また価格は10万円近辺になってくるでしょうから、そうすると
そこまでして必要か
というサイクルに陥ります。
ソニーのα6000シリーズ
対抗馬の筆頭はソニーのAPS-Cミラーレス一眼のα6000シリーズです。ソニーは後継機の販売を開始した後も型落ちのモデルを販売しています。そのため現在はα6000、α6300、α6500のラインアップとなっています。
良い点1:妥当な価格で妥当なスペックの型落ち機
良い点2:デザインがカッコいい
キヤノンのKiss Mを購入する予算(ボディで7万円)を基準に考えると、同予算でα6300を中古で購入できます。スペックはかなり高いので、満足できそうです。また、黒のデザインがとてもシブくてカッコいいです。僕はキヤノンのMシリーズより断然好みです。Kiss X7がカワイイ系のボディだったので、別路線を欲しい気持ちもあります。
悪い点:Eマウントレンズは選択肢が少なく、高価
ソニーはフルサイズに力を入れているためか、APS-C用のレンズはそれほど種類が多くありません。フルサイズ用のレンズももちろん嵌りますが、高級路線のモノばかり。もちろん、当初の計画通り、1コか2コのレンズで運用して行く分には支障ないです。
また、これは市場の話ですが、ソニーの機体のスペックと価格の選択肢はよくできていると感心してしまいます。比較しているとどんどん最新版のほうが欲しくなってきます。特にα6500ではタッチパネルと4K動画撮影に対応するなど、α6300との価格差以上の魅力を感じます。
でも冷静に見ればα6500のボディのみ中古が約10万円。レンズも購入したら13万円以上。うーん、完全に予算オーバーですね。ですが手を出しそうになるという悩ましい状態です。
ミラーレスならキヤノンよりソニーかな
こうやって選択肢が多いのはミラーレスに力を入れているソニーならではですね。キヤノンはどうも「主軸は一眼、ミラーレスは片手間」という雰囲気が伝わってきます。ミラーレスに本気でないというか、あえて制限を加えている様な。もっと上のものを欲しくなると一眼のEOS Dシリーズ行ってしまいますね。きっとミラーレスに本気出したらすごいんでしょうけど、ラインナップ上、主力の一眼に遠慮せざるを得ないのかな、と思います。
その点ソニーはミラーレスに賭けている感じがあって、本気感が伝わってきて好印象です。
パナソニックのLumix GX7シリーズ
コンデジのLX9といい、パナソニックのカメラはなんだかオシャレで品があります。「デザイン>機能性」の様な個性があります。つい最近MK3が出まして、型落ちのMK2がぐっと値下がりしています。標準ズームキットで5万円台。対してMK3は10万円台。MK2で廃止になったいくつかの機能がMK3で復活して、センサーとAF機能のバージョンアップは大きいですが、X7の補完的な役割で使うならMK2で全然問題ありません。
良い点:Leicaレンズを含む、豊富なレンズバリエーション
パナソニックの主力はマイクロフォーサーズセンサーです。これはオリンパスと同規格で、オリンパスのレンズも使えます。バリエーションが豊富で、価格も手頃なものから揃っています。遊びにうってつけです。
特に、いわゆる「パナライカ」と呼ばれる、高級カメラメーカーのライカ監修のレンズが選択肢にあるのが魅力的。誰もが一度は憧れるライカですが、素人の僕には趣味としても実用としても手の届かない存在。でもパナライカならイケそう。Kiss X7にはない写真を撮れる楽しさに期待できます。
悪い点:マイクロフォーサーズの将来性に疑問
APS-C比で60%の面積のマイクロフォーサーズです。APS-Cは35mm換算すると焦点距離は1.5倍ですが、マイクロフォーサーズは2倍。F値も1.2位から揃っていますが、フルサイズで考えるとF2.4くらいのボケ量ということで、APS-Cから入った僕としては計算がややこしく、また勉強しなければならないな、という印象。
また、ソニー同様価格設定が絶妙すぎます。MK2のライカレンズキット(7万円台)を最有力候補にしていたのですが、高画質がいいよな、AFが良いよな、と思うとMKが気になって、そしてライカレンズキットで13万円なのをみると
そこまでしてマイクロフォーサーズ機が必要か
となってきます。ここでも「割り切り」が必要なわけです。でもなまじ何でもできるミラーレスだと、どうしてもスペックを求めてしまいます。値段とスペックのちょうど良い折り合いが、現在の僕にはできません。これはきっとミラーレスが現在急成長していることの証なのだと思います。例えばMK4が出たとして、MK3が現在のMK2みたいに7万円台になっていたら気兼ねなく購入できます。そんな感じです。
結論:ステップアップを目指したら、Kiss X7の2台目は高級コンデジやミラーレスではない
長々と書いてきましたが、結論は当たり前のことに行き着きました。「コンパクトでiPhoneより高性能なカメラをいつも持ち歩く」路線は完全に失敗でした。
検討を重ねるうちに、10万円が僕にとっての基準になっていると気付いてきます。
EOS Kiss X7(ホワイト)を買った時の価格が7万円くらいでした。現在の僕は、趣味のカメラに10万円以上は出せません。10万円を超えるとそれは仕事用です。
では、10万円以下で、レンズ資産があるKiss X7と同等かそれ以上に満足いくカメラがあるかというと、高級コンデジとミラーレスにはありませんでした。我慢しながら使いたくないし、かといって性能を求めるとどうしても10万円超えてしまいます。
なので、2台目は「仕事でも使う」。仕事でも使うから10万円超えてもよく、その代わりにKiss X7より高性能。そしてKiss X7が普段使いもでき、2台目カメラを補完する。
そう考えることで「価格と性能のジレンマ」から抜け出せ、とてもスッキリしました。
次回は、やっとα7ⅱの購入に行きつく最終回です。
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