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【地理】イギリスを表す10の数字 〜後編:経済にまつわる数字〜

【地理】イギリスを表す10の数字 〜後編:経済にまつわる数字〜

こんにちは。僕の授業では、事あるごとにイギリスと日本の比較をするようにしています。比較をするとイギリス特徴がより具体できで明確になりますし、逆に日本のことも再発見するきっかけになるからです。
そこで今日は、イギリスにまつわる様々な地理的な数字(数値)のうち、特によく利用するモノをまとめようと思います。後編の今回は、イギリスの経済活動にまつわる数字です。ぜひ何の数字か予想しながら読み進めてみてください。

⑤ 2,600,000,000,000

2.6兆ドル。イギリスのGDPです。世界第5位に位置します。1位はもちろんアメリカ合衆国、2位は中国。日本は3位(4.9兆ドル)です。ヨーロッパ最大の経済国のドイツが4位につけます。長年フランスが5位にいましたが、ここ数年でイギリスが逆転したようです。
経済の活気で言えば、長引く不況とはいえ、日本の方が圧倒的にイギリスに優っています。イギリス生活が長くなってくると、日本に帰った時、「消費が活発だな」と感じる場面が多くあります。TVで消費を煽り、お金のかかるイベントが盛りだくさん、街は外食チェーンが立ち並び、スーパー、デパートもそこら中にあります。日本の経済は1億を超える人口の、圧倒的な消費力によって回っているといっていいかもしれません。

GDPはその国の経済規模を表す数値の一つですが、イギリスがEUから離脱することで、GDPが上がるのか下がるのか、注目すべき事柄かと思います。

⑥ 2,500,000,000,000

約2,5兆ドル。イギリスの1日の為替取引高です。この金額は世界第1位で、2位のアメリカの1.8倍以上の規模になります。「金融大国イギリス」を象徴する数字です。

イギリスでの為替取引が活発なのは、ロンドンの金融が発達していることもありますが、地理の授業では、イギリスの位置にからめて話すことが多いです。
イギリスのロンドンを通る子午線が世界の時間を決める基準となっていますが、その近辺には経済が発展した地域が多くあります。ポンド、ユーロといったパワーのある通貨もあります。世界の為替取引所で影響力を持っているのは、日本、イギリス、アメリカの3市場ですが、他の2市場には、先進国はそれほど多く集まっていません。
そしてイギリスは世界の中心にある。東半球からも、西半球からもアクセスしやすい位置にあります。
こうした理由でイギリスの為替市場は取引が活発になります。

⑦ 65,640,000

6,564万人(2016年)。イギリスの人口です。日本の人口の1/2です。とても少ないですね。
ヨーロッパの先進国ですから、労働環境もなかなかよく、16時くらいには皆帰宅していきます。この様な状態で、世界5位の経済規模を持っているのはとてもすごいことだと思います。
イギリスの学校に見学した時に、日本の人口は?と訊かれて「だいたい1億3000万人だよ」と答えたら、とても驚かれたことを記憶しています。これは本当につい最近のことです。ヨーロッパで1億人を超える人口をもつ国はありませんからね(ロシアを入れればロシアの1億4000万人が最大)。

日本も人口減少時代に突入したわけですが、山がちな日本列島の許容人数をイギリスを元に考えると、9,000万〜1億人が妥当な気がしています。でもそこまで人口が減った時に、少子高齢化や経済規模の縮小が一緒についてきますので、やはり問題ですね。

⑧ 8,788,000

878.8万人(2016年)。ロンドンの人口です。日本でいう大阪くらいの規模です。「世界の中心ロンドン」なんて言いますが、東京の方がはるかに人口が多い(東京大都市圏の人口は3,000万人を超えます)。
これは「大ロンドン計画」という都市計画によるものも大きいです。つまり、ロンドンの拡大を防ぐために、ロンドン市の周辺を畑や牧場で囲み(グリーンベルト)、その先に中規模都市を育てていく、という国家プロジェクトです。「大ロンドン計画」については高校の地理で取り上げ、なかなか面白い話だと思いますので、後日改めて書こうと思います。

ロンドンと比較すると、東京一極集中と過密の問題はかなり異常な状態であると浮き彫りになります。東京に帰るたびに、朝夕の通勤ラッシュと交通渋滞にはうんざりさせられます。ロンドンもなかなか混みますけどね。。。

⑨ 24.9

24.9%。イギリス人の肥満率です。日本は4.5%ですので、イギリス人がいかに太っているかがわかります。通りを歩いているとそうでもない気がしますが、それは太っている人を見ることに違和感を感じなくなってしまっているからかもしれません(日本だと太っているととても目立ってしまいますよね。。。)。イギリスの肥満率はヨーロッパ最高です。

そのためか、食に関する基準が厳しくなっている様子があります。ベジタブルフードや食育の普及が進んでいます。ただいかんせん、イギリス料理は日本食に比べて高カロリーのものが多いですから、そういった文化の違いは大いに影響していると思います。

1,081,200,000,000

1兆812億円(2007年)。年間の寄付総額です。日本は5,910億円ですから、その2倍です。
日本は経済の発展の割にチャリティーに対する関心が薄いとよく言われます。これはキリスト教的な文化との違いによるものかもしれません。イギリスでは頻繁にチャリティーがあり、それに参加している様子もよく見ます。中にはとてもユニークなものもあるので、別の機会にまた紹介できればと思います。

 

いかがでしたか。味気ない数字にストーリーを加え、その国の様子を垣間見る。そんな楽しさを地理の授業で提供できたらといつも思っています。

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