イギリスで働くにはビザが必要
観光ならいざ知らず、現地で働くとなると、当然就労ビザが必要になります。
イギリスの就労ビザはハードルが高いです。移民をコントロールしたくてEUから脱退するくらいですから。
そもそも、イギリスはEUには加盟していますが、シェンゲン協定は結んでいません。
シェンゲン協定とは、1985 年にシェンゲンでドイツフランスベネルクス 3 国が結んだ,国境の撤廃についての協定。および,これを基にして 90 年に西ヨーロッパの 8 か国が結んだ協定。ヨーロッパ連合の国境に関する協定に取り入れられている。
シェンゲン協定を結んでいない国では、たとえEU国どうしであっても国境検査があります。
島国のイギリスにとって、移民は昔からコントロールすべきものだったのですね。このあたり、同じ島国の日本にはなんとなく理解できます。
ところが、EUの協定で移民は一定数受け入れなければならない。これがEUから脱退するひとつの理由になっています。これまでも今後、移民の入国審査は年々厳しくなっていたそうですが、脱退をきっかけにより厳しくなりそうですね。。。
ビザの種類
ビザは申請者のタイプに応じて、Tier1からTier5という5つのカテゴリーに分けられています。
ポイント制で、審査項目ごとに申請者の得点をつけていき、合計点が基準に達すれば許可される、という仕組みです。
- Tier1…起業家、投資家のビザです。
- Tier2…いわゆる就労ビザはこちらです。イギリスの企業に就職する場合を「General」、日本の現地支社に転勤する場合を「Intra Company Transfer」といいます。私はGeneralに当たりますので後ほど詳しく説明します。
- Tier3…廃止されたようです。なんで数字だけ残ってるのでしょうか
- Tier4…学生ビザです。
- Tier5…短期労働、ワーキングホリデーのビザです。
Tier2 Generalのビザの基準
イギリスの企業に就職し、イギリスで働くビザをTier2 Generalといいます。現地採用というやつです。マネージャー以上の仕事内容か、専門職であることが前提となります。私の場合は、現地の教員ということで、この前提に合致します。
また、雇用側の条件として、「一定期間イギリスで求人広告を出したが、適切な人材がイギリス国内では見つからず、日本人に頼まなければならなかった」という証明が必要だそうです。なかなか厳しいですよね?このあたりにイギリスの雇用事情が窺えます。
雇用主となる企業をスポンサー(Sponsor)といいます。イギリスでの生計の面倒をみてくれるひとです。生計を立てられるアテもないのにイギリスに来るな、ということですね。
企業の支社がイギリスにある場合は話が早いですが、私のケースの場合、
日本で面接→採用→手続きは現地
となったので、一回も現地を訪れたことがないまま、メールでのやりとりを中心に進めていきました。ぱっと聞けない心細さはありましたが、とても親身に教えて頂き、ありがたいことでした。
Tier2の申請が許可される条件
ざっくりというと
- スポンサーから一定の収入が見込め、生計が立てられること(Certificate of Sponsorship)
- 英語の技能があること
- 健康維持ができること
となります。
要するに、「収入があり、生活に不自由なく、体のケアもできる」状態であれば、働くためにイギリスに来てもいいよ、という意味になります。
なんだか当たり前のことを言っているのですが、これが書類を使って証明していかねばならないのですから(しかも英語で)なかなか難しい。また英語技能の基準も厳しく、見た目以上に面倒です。以下に詳細を記載していきます。
スポンサーから一定の収入が見込め、生計が立てられること(Certificate of Sponsorship)
これは自分ではなく就職する企業に出してもらいます。あなたを雇用しますよ、という証明ですね。イギリスの入国管理局に書類を提出し、許可をもらうようです。この時のナンバー(Certification number)がビザの申請時に必要になります。初月の給料が見込めない場合は、預金がある(=当分生活は出来る)ことを証明しなければなりません。私の時(2014年)は900ポンドでした。
4月からの雇用で、4月の月給が支払われるのであれば、預金の証明は必要ありません。この雇用の際に、前述のとおり、「一定期間イギリスで広告を出して募集したけど、日本にいる私以外に適任者がいなかった」という条件が必要になります。通常3週間ほど英国内に広告を出さなければならないみたいです。
英語の技能があること
Tier2で証明しなければならない英語の技能として、Generalの場合、以前はTOEICが使えましたが、運営会社で不正があり、2014年7月以降はiELTSで一定のスコアを出さなければならなくなりました。普通に働いている人には、iELTSは馴染みがないですよね。イギリスも恨めしいですが、まずは不正をした人たちを恨みましょう。
どのくらいのスコアが必要かというと、下記の通りです。
IELTS - 4.0 overall, and in each of the four skills(Reading, Writing Speaking, and Listening) Minimum CEFR level required - B1
B1レベルとは、日本の英検で言うところの2級レベルです。今時中学生でも準2級にほいほい合格しているのですから、2級は行けそうだと思うレベルです。
ただ、日本人にとって大きいのは、SpeakingとWritingです。一般に受験されるTOEICでもこの技能まで聞かれていませんし、そもそも日本の日常ではこの2つの力を伸ばす機会は殆どありません。早めの対策をおすすめ致します。
健康維持ができること
これは基本的にはスポンサーが補ってくれますので、Certificate of Sponsorshipと一緒に証明してくれるはずです。私の場合もそうでした。
以上がざっくりとしたイギリスのビザ制度についてです。必要な条件はわかりました。より詳細は次回以降に記載していきたいと思います。
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