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【地理】イギリスを表す10の数字 〜前編:自然環境〜

【地理】イギリスを表す10の数字 〜前編:自然環境〜

こんにちは。僕の授業では、事あるごとにイギリスと日本の比較をするようにしています。比較をするとイギリス特徴がより具体できで明確になりますし、逆に日本のことも再発見するきっかけになるからです。

そこで今日は、イギリスにまつわる様々な地理的な数字(数値)のうち、特によく利用するモノをまとめようと思います。前編の今回は、自然環境を中心とするイギリスの大枠についての数字です。ぜひ何の数字か予想しながら読み進めてみてください。

① 240,000

242,495㎢

イギリスの面積です。イギリスの正式名称は「グレートブリテン及び北アイルランド連合王国」で、グレートブリテン島全域とアイルランド島の一部ということになります。日本は約37万㎢ということで、約2/3ということになります。日本から九州、四国を抜かしたくらいでしょうか。こういう話をすると、生徒たちは必ず「思っていたより小さい」と言ってくれるので、実は日本より大きな国はヨーロッパにはほとんどないんだよ、と続けていくと、関心をもって授業を聴いてくれます。

② 53

53ヶ国。イギリス連邦の加盟国数です。かつてイギリスは世界中に植民地を持っていました。(大英帝国最盛期の面積は世界の陸地の23.8%を占めていて、その時の面積は歴史上もっとも大きいものです。)

③ 13

13%。イギリスの森林率(国土面積に対する森林面積の割合)です(世界135位)。日本は67%で世界17位ですので、いかに日本が森林に恵まれているかがわかります。イギリスは日本と同様温帯(西岸海洋性気候)に属していて、プーさんやピーターラビットなどの文学により、「イギリス=森」のイメージは強いのですが、実際は意外と少ないですよね。このことは地理の授業では必ず触れるようにしています。

都市化や伐採などの人為的要因によって減ってしまったというわけではありません。例えば、イギリスの南部では森林が多く見られますが、北部(スコットランドなど)は土壌の栄養に乏しく、岩がちな荒れ地が広がっており、森林率はかなり低めでです。つまり、木が生える条件に適した土地が少ないということです。木が成長するためには草と比べて膨大なエネルギーを必要とします。なので地球上でも生える場所は多くはないのです。木は大切にしないとね。

スコットランド方面の夏の様子。草原は見られるが木はまばら

 

④ 700

約700mm。ロンドンの年間降水量です。この数字も日本は水に恵まれている」という日本の気候の話のため、比較として使います。世界の降水量の平均は700mm〜800mmなので、ロンドンはだいたい平均くらいです。

一方で東京は約1500mm。ロンドンや世界平均の2倍です。「ロンドンは=曇天」のイメージは非常に強いですが、この違いはどこから来るのでしょう。

それは、「降水日(少しでも雨の降った日)は多いのに、イギリス人はほとんど傘を持ち歩かない」という不思議な光景から説明することができます。つまり、1回の降水量が少ない(=日本は1回の降水量が多い)のです。

日本はモンスーン(季節風)の影響を受けます。「モンスーン」という言葉は地理の授業で聞いたことがあるでしょう。そのモンスーンが、春から夏にかけて、南東太平洋の温暖な海を通って東京に注ぎ込みます。温暖な海は蒸発量が多いですから、水分をたっぷり含んだ雲ができ、大量の降水をもたらすのです。

対して、ロンドンで降る雨は、ささっと降って止むものがほとんど。雨粒もそれほど多くなく、日本で言う霧雨程度のことも多いです。この違いが年間降水量の違いに表れています。

よく日本人は水のありがたさを知らないと言われます。世界には日本の半分も雨が降らない地域がとても多くあるのです。日本は自然に恵まれていますね。

雨のイメージの強いロンドン

 

次回は産業・経済について

というわけで今回は自然環境を中心によく使う数字をまとめてみました。地理の授業では統計をよく扱います。その数字にストーリーを持たせると、生徒たちは興味をもって聞いてくれます。生徒たちが「なるほど」という顔をしてくれるのが教師として嬉しい瞬間です。

次回はこの環境でイギリスの人々がどのように活動しているのかを、6つの数字を中心にお話しようと思います。

それではまた。

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